SESのオンライン商談のコツ|準備12項目と画面共有・接続トラブル・同席の役割分担

公開日:2026年9月30日更新日:2026年9月30日

SESのオンライン商談とは?

オンライン商談とは、Web会議ツールを使って、画面ごしに行う商談のことです。SESでは、エンド企業や元請けSIer、BP(ビジネスパートナー)との打ち合わせに使います。

SES営業がオンラインで行う場面は、大きく3つあります。

場面主な相手営業のゴール
新規の商談エンド企業・元請けSIer取引の口座を開き、案件をもらう
要員提案の説明案件の担当者候補者の面談日を決める
客先面談(Web面談)案件の現場責任者エンジニアの参画を決める

Web面談とは、エンジニアと案件の担当者がオンラインで顔を合わせ、スキルや経験を確かめる場のことです。SESの客先面談は、オンラインで行うケースもよくあります。

移動がないぶん、1日に入れられる商談の数は増えます。一方で、相手の反応が読みにくく、資料の見せ方や接続トラブルで印象が大きく変わります。対面より「準備の差」が出やすいのがオンライン商談です。

→ SESの商談の進め方|初回から契約までのフェーズと所要時間

オンライン商談で失注しやすい5つの原因

オンライン商談で決まらない原因は、話し方より段取りのミスが多いです。よくある原因を先に知っておくと、準備で防げます。

  1. 開始時刻に入れない:URLが見つからない、音が出ない。最初の5分で印象が下がります。

  2. 資料が探せない:画面共有の途中でファイルを探し、沈黙が続きます。

  3. 見せてはいけない情報が映る:別の会社の案件メールや、候補者の個人情報が映ります。

  4. 誰が話すか決まっていない:営業とエンジニアの話が重なったり、両方が黙ったりします。

  5. 次の約束をしないで終わる:画面を閉じると連絡が途切れやすく、検討が止まります。

どれも、前日までの準備と、当日の決まった手順で防げます。次の章から、順番に説明します。

前日までにやる準備12項目(チェックリスト)

オンライン商談の準備は、「相手」「資料」「接続」「分担」の4つに分けて確認すると漏れません。次の12項目を、前日の夕方までに終わらせましょう。

#分類確認すること
1相手参加者の名前・役職・決裁に関わるか
2相手相手が使うWeb会議ツール(Zoom・Teams・Google Meetなど)
3相手商談の目的と、相手が今いちばん困っていること
4資料画面共有する資料を、見せる順番に並べたか
5資料スキルシートの個人名・連絡先を伏せたか
6資料体制図・単価・条件の数字が最新か
7資料商談後に送る資料をPDFにしてあるか
8接続会議URL・パスワードをカレンダーに入れたか
9接続カメラ・マイク・背景を、前日にテストしたか
10接続つながらないときの電話番号を、お互いに共有したか
11分担営業とエンジニアの話す範囲を決めたか
12分担商談の最後に決めたい「次の約束」を決めたか

相手が使うツールに合わせる

Web会議ツールは、相手が普段使っているものに合わせるのが基本です。大手の元請けSIerでは、社内ルールで使えるツールが決まっていることがあります。招待を送る前に「御社でお使いのツールに合わせます」とひとこと聞きましょう。

事前に送るメールの例文

前日に、次のような確認メールを送っておくと、当日の迷いが減ります。

件名:【明日10/6(火)14:00】オンライン面談のご案内(Java開発・候補者1名)

株式会社〇〇 〇〇様

明日のオンライン面談について、ご案内いたします。
・日時:2026年10月6日(火)14:00〜14:45
・URL:(会議URL)
・参加者:弊社営業 〇〇、候補者 T.Y.さん
・つながらない場合のご連絡先:090-XXXX-XXXX(〇〇)

当日は、スキルシートを画面で共有しながらご説明します。
何卒よろしくお願いいたします。

→ SESの面談準備|営業が事前にやること10項目とエンジニアへの伝え方

画面共有の見せ方|スキルシートと体制図

画面共有は、「相手が知りたい順」に、1画面1テーマで見せるのがコツです。ファイルを開いたまま上から順にスクロールするのは避けましょう。

画面共有とは、自分のパソコンの画面を、Web会議の相手にそのまま見せる機能のことです。見せたい資料だけを出せる反面、ほかのウィンドウが映る失敗も起きやすい機能です。

スキルシートは「要点ページ」から見せる

スキルシートとは、エンジニアの経歴・スキル・参画できる時期をまとめた資料のことです。オンラインでは文字が小さく見えるため、全ページを見せると読まれません。

おすすめの見せ方は次の順番です。

  1. 要点ページ:経験年数、得意な言語・工程、参画可能日、希望条件を1枚にまとめたもの

  2. 案件に近い経歴:相手の案件に一番近いプロジェクトだけを見せる

  3. 全体の経歴:相手が「ほかも見たい」と言ったときだけ開く

文字は、画面で見て読める大きさまで拡大します。共有の前に「今、画面は見えていますか?」と一度確認しましょう。

個人情報は映さない

スキルシートは、イニシャル表記にし、住所・連絡先・生年月日は映さないのが基本です。候補者本人の同意を取ってから、必要な範囲だけを出します。

個人データを他社に渡すときは、原則として本人の同意が必要です。個人情報保護法の第27条(第三者提供の制限)に定めがあります。画面で見せるだけでも、相手が記録できる状態なら同じ注意が必要だと考えましょう。

参考になるのが、厚生労働省の「37号告示に関する疑義応答集(第3集)」のQ7です。発注者が特定の人を指名したり、就業を断ったりすると、適正な請負等(準委任を含む)と認められないとされています。一方で、個人を特定できず、指名や就業拒否に使えないスキルシートの提出を求めても、直ちに偽装請負とはならないとしています。Q7はアジャイル型開発についての回答ですが、Q8でそれ以外のシステム開発にも当てはまるとされています。スキルシートは、個人を特定できない形で出すのが安全です。

→ スキルシートの個人情報と第三者提供の同意|SES提案で守る手順と文例

体制図は「1枚で商流と人数」がわかる形に

体制図とは、プロジェクトに関わる会社と人の並びを、図で表した資料のことです。SESの商談では、エンドから自社までの商流(仕事が流れてくる会社の順番)と、自社から出す人数を伝えるのに使います。

オンラインで見せる体制図は、次の3点を守ると伝わりやすくなります。

  • 会社名は相手に見せてよい範囲だけ(BPの社名は「協力会社A」などに置き換える)

  • 人数と役割を箱の中に書く(例:「PL1名・PG3名」)

  • 自社がどこに入るかを色で目立たせる

共有の事故を防ぐ3つの手順

  1. 共有するのは「画面全体」ではなく、資料のウィンドウだけにする

  2. メール・チャットの通知をオフにする

  3. デスクトップのファイル名が映らないよう、使う資料以外は閉じる

接続トラブルが起きたときの段取り

接続トラブルは、起きる前提で「次の手」を決めておくのが正解です。慌てて何度も入り直すより、決めた順番で切り替えるほうが早く戻れます。

トラブルの種類ごとに、次のように対応しましょう。

起きたことまずやること5分戻らないとき
相手が入れないチャットかメールでURLを再送別ツールのURLを送る
音が聞こえないミュートと出力先を確認電話をつなぎ、音声だけ電話で進める
映像が止まるカメラをオフにして音声だけで続ける資料はメールで送り、口頭で説明
自分の回線が落ちるスマホのテザリングで入り直す同席者に進行を任せ、電話で合流

伝え方の例文

トラブルのときは、短く状況を伝え、次の手を自分から出すと相手が安心します。

「申し訳ありません、音声が途切れております。1分ほどお待ちいただき、戻らなければ、こちらからお電話を差し上げます。」

「資料の共有がうまくいかないため、今メールでPDFをお送りしました。お手元でご覧いただきながら進めてもよろしいでしょうか。」

開始10分前には入っておく

営業は、開始の10分前にはWeb会議に入り、音と画面を確かめておきます。エンジニアが同席するときは、同じ時間に入ってもらい、事前の打ち合わせをその場で済ませます。

Web会議のセキュリティの注意点は、IPA(情報処理推進機構)がまとめています。資料名は「Web会議サービスを使用する際のセキュリティ上の注意事項」(2020年7月14日公開)です。会議URLやパスワードを関係のない人に広めない、参加者を確認する、といった基本を守りましょう。

エンジニア同席の客先面談|役割分担の決め方

エンジニアが同席するWeb面談では、話す範囲を事前に決めておきます。営業が「進行と条件」、エンジニアが「経験と技術」です。分担があいまいだと、話が重なったり、答えに詰まったりします。

客先面談とは、参画前にエンジニアが現場の担当者と話し、スキルを確かめてもらう場のことです。オンラインでは、表情や間が伝わりにくいため、分担の差がそのまま結果に出ます。

話題話す人ポイント
冒頭のあいさつ・紹介営業30秒で経歴の要点を紹介する
経験・技術の質問エンジニア案件に近い経験から具体的に話す
参画日・単価・勤務形態営業エンジニアに答えさせない
逆質問・次の流れ営業→エンジニア営業が振り、エンジニアが1〜2問聞く

面談前にエンジニアへ伝えること

面談の前日までに、エンジニアへ次の4つを伝えておきます。

  1. 案件の概要と、相手が特に知りたいスキル

  2. 自己紹介は1分以内にまとめること(型はSES面談の自己紹介の例文|1分で経歴を伝える型を営業が教えるを参照)

  3. 単価・条件の質問は営業が答えること

  4. 聞き取れなかったら、遠慮せず聞き直してよいこと

営業がやってはいけないこと

  • エンジニアへの質問を、営業が横取りして答える

  • 沈黙が怖くて、エンジニアの話をさえぎる

  • 面談の場で、単価や条件を即答で約束する

なお、SESは多くの場合、準委任契約です。準委任とは、仕事の結果ではなく、作業をすること自体を約束する契約のことです。面談は「スキルの確認」の場として進め、相手が特定の人を選ぶ場にならないよう気をつけましょう。派遣契約の場合は、労働者派遣法の第26条第6項に定めがあります。派遣先は、派遣労働者を特定する目的の行為をしないよう努めなければなりません(紹介予定派遣を除く)。

→ SES面談に同席する営業の役割|冒頭の話し方と助け舟の出し方

当日の進め方|45分の商談の時間配分

オンライン商談は、「最初の5分で目的を合わせ、最後の5分で次の約束をする」と、話がそれにくくなります。45分の商談なら、次の配分が目安です。

時間やること例
0〜5分あいさつ・目的の確認「本日は候補者のご紹介と、面談日のご相談です」
5〜20分相手の状況を聞く体制・困りごと・開始時期
20〜35分提案・画面共有スキルシートの要点、体制図
35〜40分質問への回答条件・参画日の確認
40〜45分次の約束を決める「10/9(金)までにお返事をいただけますか」

相手の反応をつかむ質問

オンラインでは、うなずきや表情が見えにくくなります。そのため、区切りごとに短い確認の質問を入れましょう。

  • 「ここまでで、気になる点はありますか?」

  • 「この経験は、今回の案件に近いでしょうか?」

  • 「ほかにご検討中の候補者は、何名くらいいらっしゃいますか?」

聞く項目を事前に決めておくと、話が途切れても慌てません。

終わったら当日中にお礼と要点を送る

商談が終わったら、当日中に「お礼」「決まったこと」「次の約束」をメールで送ります。画面を閉じた瞬間から、相手の記憶は薄れていきます。

件名:本日のお打ち合わせのお礼(10/6 Java開発案件)

本日はお時間をいただき、ありがとうございました。
決まったこと:候補者T.Y.さんの2回目の面談を、10/13(火)に実施
次のお約束:10/9(金)までに、面談の候補時間を3つお送りします
本日お見せしたスキルシート(要点版)を添付いたします。

→ SES営業のクロージングのコツ|商談を決めきる質問と切り返し例

オンライン営業に使うツール4種類

オンライン営業のツールは、4種類に分けると選びやすくなります。「会う」「見せる」「予定を合わせる」「情報をすぐ出す」の4つです。Web会議ツールだけでは、商談の質は上がりません。

種類役割選ぶときの見方
Web会議ツール画面ごしに会う相手の会社で使えるか
資料共有スキルシート・体制図を見せる・送る閲覧の権限を細かく決められるか
日程調整候補日を出し、予定を確定するカレンダーと連動するか
案件・人材の管理商談中に候補をすぐ出す自社とBPの情報をまとめて探せるか

面談の候補日の出し方やリスケの連絡は、SESの面談日程調整メール例文|候補日の出し方とリスケの連絡に例文があります。

Web会議ツールは相手に合わせ、設定を見直す

総務省の「テレワークにおけるセキュリティ確保」のページには、Web会議ツールの安全な設定の解説資料があります。対象はZoom・Microsoft Teams・Google Meetなどです。待機室やパスワードの設定を、一度見直しておきましょう。

見落としがちなのは「案件・人材の管理」

商談中に「ほかにJavaができる人はいますか?」と聞かれたとき、Excelやメールを探していては間に合いません。営業中の人材と案件を、すぐ検索できる状態にしておくことが、オンライン商談ではとくに効きます。

→ SES営業ツールの種類と選び方|業務別のおすすめ構成と導入手順

チョータツで商談中に「すぐ出せる」状態をつくる

自分でやるなら、まずは営業中の人材と案件を1つの一覧表にまとめ、毎朝更新することから始めましょう。商談の前に、相手の案件に合いそうな人材を3名まで選んでおくだけでも、答えの速さが変わります。

ただ、BPから届く人材情報まで手作業で一覧にするのは、時間がかかります。そこで役に立つのが、DrivenXのチョータツです。

チョータツとは、SES営業の案件・人材の情報を管理・共有できるツールのことです。オンライン商談の場面では、次のように使えます。

  • 自社とBPの人材を、まとめて探せる:他社と連携すると、他社の営業中案件・営業中人材をデータベース化できます。商談中の「ほかにいますか?」に、その場で候補を探せます。

  • 入力をAIが手伝う:案件・人材の情報を登録する手間が減り、情報を最新に保ちやすくなります。

  • 商談後の提案をすぐ送れる:パートナーへのメール配信機能で、決まった条件の案件・人材情報を配信できます。

チョータツは3,000社以上が利用しており、無料で始められます。

これからの営業スタイル|オンラインと対面の使い分け

これからのSES営業は、オンラインを基本にしつつ、関係を深めたい場面だけ対面にする使い分けが現実的です。どちらか一方に決めるより、目的で分けるほうが成果につながります。

場面おすすめ理由
要員提案・Web面談オンライン日程が早く決まり、候補者の移動もない
定例の情報交換(BP)オンライン短い時間で回数を増やせる
新規エンドの初回訪問対面も検討相手の社内の雰囲気や体制をつかみやすい
増員・単価の相談対面も検討表情を見ながら条件をすり合わせやすい

オンラインで回数を増やし、対面で信頼を深める。この組み合わせを、営業チームのルールとして決めておくと、担当者ごとのばらつきが減ります。

よくある質問

Q. オンライン商談で、カメラはオンにすべきですか?
営業はオンにするのが基本です。相手がオフでも、こちらはオンのままにしましょう。回線が不安定なときだけ、ひとこと断ってからオフにします。
Q. Web面談でエンジニアが緊張して話せないときは?
営業が「〇〇さん、前のプロジェクトで担当した工程を教えてください」と、答えやすい質問を振り直します。営業が代わりに答えるのは避けましょう。
Q. オンライン営業におすすめのツールは何ですか?
Web会議は相手に合わせ、ほかに資料共有・日程調整・案件と人材の管理の3つをそろえます。商談中に候補をすぐ出すなら、案件・人材の管理ツールが効きます。
Q. スキルシートは、画面共有とメール送付のどちらがよいですか?
商談中は画面共有で要点だけ見せ、終わってからイニシャル表記のPDFを送るのがおすすめです。送る前に、候補者本人の同意を取っておきましょう。
Q. オンライン商談は何分がよいですか?
初回の商談や要員提案なら、30〜45分が目安です。最後の5分は、必ず次の約束を決める時間にあてましょう。
Q. 接続が切れたまま戻らないときは、どうすればいいですか?
5分待っても戻らなければ、事前に共有した電話番号に連絡し、音声だけで進めます。資料はメールで送り、相手の手元で見てもらいます。

まとめ

  • オンライン商談は、準備の差がそのまま結果に出る。前日までに「相手・資料・接続・分担」の12項目を確認する

  • 画面共有は、スキルシートの要点ページ→案件に近い経歴の順。個人名・連絡先は映さない

  • 体制図は1枚で商流と人数がわかる形にし、BPの社名は置き換える

  • 接続トラブルは、5分戻らなければ電話とメールに切り替えると決めておく

  • エンジニア同席の面談は、営業が進行と条件、エンジニアが経験と技術を話す

  • 商談中に候補をすぐ出せるよう、案件・人材の情報をまとめておく。手間を減らすならチョータツ

本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の法的助言ではありません。具体的な判断は弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。

運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年9月30日|更新日:2026年9月30日

参考資料(2026年9月30日確認)

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