SESの週3・週4案件の単価の計算|週5単価からの換算式・精算幅の按分と、曜日固定・掛け持ちの契約の書き方
公開日:2026年9月30日更新日:2026年9月30日
週3・週4案件の単価は「週5単価×稼働割合」で計算する
週3・週4案件の単価は、週5で働いた場合の月額単価に、稼働日の割合をかけて出します。週3は5日のうち3日なので60%、週4は80%です。
稼働率とは、週5日のフル稼働を100%としたときに、実際に働く割合のことです。案件メールでは「稼働率60%」「週3日〜」のように書かれます。
| 稼働 | 稼働率 | 週5単価80万円の場合 | 週5単価60万円の場合 |
|---|---|---|---|
| 週5 | 100% | 80万円 | 60万円 |
| 週4 | 80% | 64万円 | 48万円 |
| 週3 | 60% | 48万円 | 36万円 |
| 週2 | 40% | 32万円 | 24万円 |
計算式は次のとおりです。
週3・週4の月額単価 = 週5の月額単価 × 稼働日数 ÷ 5
週5の単価そのものが決まっていない場合は、先に職種・スキル別の相場をつかみます。相場の調べ方はSESの単価相場|職種別の月額目安と公的データの使い方で解説しています。
単価を割合どおりにしない3つのケース
割合で出した単価は出発点です。次の3つのケースでは、割合より高く提示する会社もあります。
専門性が高く、週3でしか確保できない人材:PMOやアーキテクトなど、他の案件と掛け持ちしている人が多い職種です。
週3でも週5と同じ成果を求められる案件:会議の出席や資料の締め切りが週5の前提のままの案件です。
稼働曜日を客先の都合で細かく変えられる案件:エンジニアが他の予定を組みにくくなるため、その分を上乗せします。
反対に、割合より下げて提示するのはおすすめしません。週3の案件は、単価を下げると要員が集まりにくくなるからです。
自社の粗利は「割合」ではなく「固定額」で確保する
週3・週4の案件では、自社の粗利を割合で縮めず、1人あたりの固定額で確保するのがおすすめです。契約書の作成・勤怠の確認・請求などの手間は、週3でも週5とほぼ同じだからです。
仕入れ単価(BPやフリーランスに払う金額)を決めるときの計算例です。
| 決め方 | 週5 | 週3(割合で縮める) | 週3(固定額で確保) |
|---|---|---|---|
| 提案単価 | 80万円 | 48万円 | 48万円 |
| 仕入れ単価 | 72万円 | 43.2万円 | 43万円 |
| 自社の粗利 | 8万円 | 4.8万円 | 5万円 |
割合で縮めると、粗利は8万円から4.8万円に下がります。固定額にするなら、「1人あたり月5万円は確保する」など、社内の最低ラインを先に決めておきます。
仕入れ単価と提案単価の関係はSESの提案単価の決め方|仕入れ単価から逆算する計算式と5つの要素でくわしく紹介しています。
精算幅も同じ割合で縮める
週3・週4案件の精算幅は、週5の精算幅に同じ稼働率をかけて決めます。単価だけ60%にして、精算幅を140〜180時間のままにすると、ほぼ必ず下限を割ってしまいます。
精算幅とは、月の稼働時間の「下限」と「上限」のことです。下限を下回ると単価から差し引き(控除)、上限を超えると追加で請求(超過)します。用語の意味はSES用語一覧|営業が現場で使う用語60と意味・例文つきでも確認できます。
| 稼働 | 週5が140〜180時間の場合 | 週5が150〜190時間の場合 |
|---|---|---|
| 週4(80%) | 112〜144時間 | 120〜152時間 |
| 週3(60%) | 84〜108時間 | 90〜114時間 |
| 週2(40%) | 56〜72時間 | 60〜76時間 |
週5の精算幅そのものの決め方はSESの稼働時間の上限・下限の決め方|契約前の確認12項目つきを参考にしてください。
控除単価・超過単価の計算例(週3・月48万円)
控除単価と超過単価も、週3の単価と精算幅から計算し直します。控除単価とは下限を1時間下回るごとに差し引く金額、超過単価とは上限を1時間超えるごとに追加する金額のことです。
週3・月48万円・精算幅84〜108時間の場合の計算例です。
| 精算方式 | 控除単価(下回ったとき) | 超過単価(超えたとき) |
|---|---|---|
| 上下割 | 48万円 ÷ 84時間 = 約5,714円 | 48万円 ÷ 108時間 = 約4,444円 |
| 中間割 | 48万円 ÷ 96時間 = 5,000円 | 48万円 ÷ 96時間 = 5,000円 |
上下割とは、下限と上限の時間で単価を割る方式のことです。中間割とは、下限と上限の真ん中の時間で割り、控除も超過も同じ単価にする方式のことです。
たとえば、ある月の稼働が80時間だったとします。上下割なら、下限84時間との差4時間 × 5,714円 = 約2.3万円を差し引きます。控除の計算のしかたはSESの精算幅を下回ったら?控除の計算方法と有給・固定の扱いでくわしく解説しています。
曜日固定では、月の稼働日が12〜14日でぶれる
週3で曜日を固定すると、月によって稼働日が12日の月も14日の月もあります。1日8時間なら、月96〜112時間の幅でぶれます。
月・水・金の週3で、2026年と2027年のカレンダーを数えた結果は次のとおりです(祝日は考えない日数です)。
| 月の稼働日 | 1日8時間の稼働時間 | 精算幅84〜108時間との関係 |
|---|---|---|
| 12日 | 96時間 | 幅の中に入る |
| 13日 | 104時間 | 幅の中に入る |
| 14日 | 112時間 | 上限を4時間超える |
14日ある月は、残業がなくても上限の108時間を超えます。反対に、12日の月に月曜の祝日が2回あると稼働日は10日(80時間)になり、下限の84時間を下回ります。
対策は3つあります。
精算幅を広げる:週3なら「80〜112時間」のように、12〜14日のぶれが入る幅にする
固定精算にする:時間にかかわらず月額を固定し、祝日や日数のぶれを精算しない
日割り・時間単価にする:「1日あたり〇万円 × 稼働日数」で毎月計算する
営業としては、提案前にカレンダーで12日・14日の月を数え、精算幅に入るかを確かめるのが一番確実です。
稼働曜日の固定と、変更するときのルール
週3・週4案件では、稼働曜日を固定するか、月ごとに決めるかを契約前に決めます。曜日があいまいなままだと、エンジニアが掛け持ちしている別の案件と重なり、トラブルになります。
| 決め方 | 向いている案件 | 注意点 |
|---|---|---|
| 曜日固定(例:月・水・金) | 定例会議がある開発・PMO案件 | 月の稼働日がぶれる |
| 週の日数だけ固定 | 作業を自分で進められる案件 | 客先の会議日と合わないことがある |
| 月の日数で決める(例:月12日) | 保守・スポットの作業 | 月末に日数が足りなくなりやすい |
曜日を変えるときのルールも、あらかじめ決めておきます。
変更は、客先から自社の営業(または責任者)に連絡してもらい、エンジニアに直接頼まないようにする
変更の連絡は、〇営業日前までとする
変更できない曜日(別案件の稼働日)を、客先に先に伝えておく
準委任契約では、働く日や時間の指示は受注した側(自社)が行うのが原則です。準委任契約とは、仕事の完成ではなく、決められた作業を行うこと自体を約束する契約のことです。客先がエンジニアに直接曜日を指示する形は避けます。
他の案件と掛け持ちするときの注意点5つ
週3・週4案件のエンジニアは、別の案件と掛け持ちすることがあります。掛け持ちさせる前に、次の5点を確認します。
契約で掛け持ちが禁止されていないか:「専任」「他の業務との兼務禁止」などの条項がないかを見る
競合する会社の案件でないか:同じ業界の2社を掛け持ちすると、情報の扱いで客先が嫌がることがある
稼働曜日と会議の時間が重ならないか:両方の案件の定例会議の曜日と時間を並べて確認する
両方の稼働時間の合計:自社の社員なら、2つの案件の時間を合わせて残業を管理する
貸与PC・アカウントの分け方:案件ごとに端末を分け、情報が混ざらないようにする
掛け持ちを客先に黙っていると、発覚したときに信頼を失います。条件面で「他案件と並行稼働(週2)」のように先に伝えておくのが安全です。
条件面・注文書への書き方の例
週3・週4案件では、条件面と注文書に稼働率・稼働曜日・曜日の変更方法・精算幅・掛け持ちの可否の5点を書きます。
案件メールの条件面の例
【稼働】週3日(月・水・金)※曜日の相談可
【単価】48万円/月(スキル見合い)
【精算】80〜112時間(上下割)
【並行稼働】他案件との並行可(競合企業の案件は不可)
【開始】2026年11月〜長期
人材メールの条件面の例
【稼働】週3日希望(火・木は別案件のため不可)
【希望単価】月50万円(週3・精算80〜112時間の場合)
【開始】2026年11月1日〜
注文書・個別契約の記載例
稼働日:週3日(原則として月曜日・水曜日・金曜日)
稼働日の変更:甲は、変更を希望する日の5営業日前までに乙の担当者に申し出る
月額:480,000円(税別)
精算:月間80時間〜112時間。下限を下回る場合は1時間あたり6,000円を控除し、上限を超える場合は1時間あたり4,285円を加算する
並行稼働:乙の作業者は、本契約以外の業務に従事することができる。ただし、甲と競合する事業者の業務を除く
控除単価6,000円は48万円 ÷ 80時間で出した例です。超過単価4,285円は48万円 ÷ 112時間(1円未満切り捨て)です。条件面のほかの項目はSESの条件面の書き方|案件・人材メールに入れる14項目と記入例で紹介しています。
週3・週4案件の提案前チェックリスト
提案前に、次の10項目を確認します。
週5の単価を相場で確認し、稼働率をかけて単価を出した
自社の粗利を、1人あたりの固定額で確保できている
精算幅を稼働率で縮めた
曜日固定の場合、12日・14日の月でも精算幅に入るか数えた
控除単価・超過単価を、週3の単価と精算幅で計算し直した
稼働曜日と、変更するときの連絡方法を決めた
エンジニアの別案件の曜日・会議時間と重ならない
契約に専任・兼務禁止の条項がない
競合する会社の案件と掛け持ちしていない
条件面と注文書に5点(稼働率・曜日・変更方法・精算幅・掛け持ち)を書いた
1〜3か月だけの週3案件なら、短期ならではの上乗せも検討します。考え方はSESのスポット・短期案件の単価相場|見積もりと契約の注意点で解説しています。
週3・週4で動ける人材を早く見つける
週3・週4案件で一番苦労するのは、稼働率の条件が合う要員を見つけることです。自分で探す場合と、ツールを使う場合を比べます。
自分でやる方法
BPから届く人材メールを読み、「週3可」「並行稼働中」などの人をExcelに書き出す
稼働できる曜日を、BPの担当者に1人ずつ問い合わせる
週3案件の条件面を、BPに一斉にメールで送る
もっと楽にするなら
チョータツとは、SES営業の案件・人材の情報を管理・共有するツールのことです。3,000社以上が利用し、無料で始められます。
| やること | 自分でやる場合 | チョータツを使う場合 |
|---|---|---|
| 週3で動ける人材を探す | 人材メールを読んでExcelに転記 | 連携した会社の営業中人材がデータベースになる |
| 週3案件を広く知らせる | BPごとにメールを送る | パートナーへのメール配信機能で送れる |
| 案件ごとの精算条件を残す | 担当者ごとにばらばら | 案件・人材の情報を1か所で管理・共有できる |
BPに週3で動ける人がいないときは、ITフリーランスに直接声をかける方法もあります。DrivenXのxhours(エックスアワーズ)では、数千名のフリーランスのデータベースから探して、直接スカウトを送れます。
よくある質問
- Q. SESの週3案件の単価はどう計算しますか?
- 週5の月額単価 × 3 ÷ 5 で計算します。週5で80万円の案件なら、週3は48万円です。専門性の高い職種では、割合より高く提示する会社もあります。
- Q. 週4稼働の単価は週5の何割ですか?
- 8割が基本です。週5で70万円なら、週4は56万円になります。精算幅も同じく8割に縮めます。
- Q. 週3案件の精算幅はどう決めますか?
- 週5の精算幅に0.6をかけます。140〜180時間なら84〜108時間です。曜日を固定する場合は、稼働日が14日ある月でも上限を超えないかを確かめます。
- Q. 週3案件は固定精算にしたほうがよいですか?
- 曜日を固定し、祝日で稼働日がぶれやすい案件では、固定精算が管理しやすいです。ただし、稼働が大きく減った月も同じ金額になるため、客先の合意が必要です。
- Q. 週3案件で他の案件と掛け持ちしてもよいですか?
- 契約に専任や兼務禁止の条項がなければ、掛け持ちできます。競合する会社の案件は避け、条件面で並行稼働していることを先に伝えます。
まとめ
週3・週4の単価は、週5の単価 × 稼働割合(週3は60%、週4は80%)が基本
自社の粗利は割合で縮めず、1人あたりの固定額で確保する
精算幅も稼働割合で縮め、控除単価・超過単価も計算し直す
曜日固定では月の稼働日が12〜14日でぶれるため、精算幅に入るかをカレンダーで数える
条件面と注文書には、稼働率・稼働曜日・曜日の変更方法・精算幅・掛け持ちの可否を書く
本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の法的助言ではありません。具体的な判断は弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。
運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年9月30日|更新日:2026年9月30日
参考資料(2026年9月30日確認)
e-Gov法令検索「民法」(第656条 準委任、第648条 受任者の報酬)
厚生労働省「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準(昭和61年労働省告示第37号)」(第2条 業務の遂行・労働時間の指示を受注者が自ら行うこと)