BtoB営業とは?一般的な特徴とSES営業の違い|成果を出す進め方6ステップと例文付き

公開日:2026年9月30日更新日:2026年9月30日

BtoB営業とは?企業を相手にする営業のこと

BtoB営業とは、会社が会社に向けて商品やサービスを売る営業のことです。 「B to B営業」「法人営業」とも呼ばれます。

反対の言葉がBtoC営業です。BtoC営業とは、会社が個人のお客さんに売る営業のことです。スーパーの商品や個人向けの保険などが当たります。

違いを表にまとめます。

比べる点BtoB営業BtoC営業
買う相手会社(法人)個人
決める人担当者・上司・決裁者など複数本人(または家族)
決めるまでの期間数週間〜数か月が多いその場〜数日が多い
決め手会社の利益・リスク・理屈好み・気分・価格
1回の金額大きくなりやすい小さめが多い

意思決定者とは、買うかどうかを決める立場の人のことです。そのうち、最後に「OK」を出す人を決裁者と呼びます。

SES営業もBtoB営業のひとつ

SES営業は、IT企業にエンジニアの技術力を提供する営業です。相手は会社なので、SES営業もBtoB営業に入ります。

一般的なBtoB営業の特徴は4つ

一般的なBtoB営業には「決める人が多い」「時間がかかる」「理屈で決まる」「長く付き合う」の4つの特徴があります。 SES営業でもこの4つは土台になります。

  1. 決める人が多い:窓口の担当者だけでなく、上司や部長、経理なども関わります。1人を説得しても決まりません。

  2. 時間がかかる:社内の稟議(りんぎ:上の人に承認をもらう手続き)を通すため、決まるまで時間がかかります。

  3. 理屈で決まる:「なんとなく良い」では通りません。費用対効果やリスクを、社内で説明できる理由が必要です。

  4. 長く付き合う:一度取引が始まると、何年も続くことがよくあります。信頼があると次の注文につながります。

BtoB営業の魅力

BtoB営業の魅力は、1件の金額が大きく、取引が長く続きやすいことです。相手の会社の課題を一緒に解く、やりがいのある仕事でもあります。

SES営業では、この魅力がさらに目に見えます。1人のエンジニアが参画すると、毎月の売上が数か月から年単位で続くからです。

SES営業と一般的なBtoB営業の違いは3つ

SES営業は、一般的なBtoB営業と比べて「両面営業」「多重構造」「スピード勝負」の3点が違います。 この3つを知らずに一般論をそのまま使うと、うまくいきません。

比べる点一般的なBtoB営業SES営業
売るもの自社の商品・サービス案件(仕事)と人材(エンジニア)の両方
相手買ってくれる会社エンド・元請け・BPなど商流の各社
決まるまで数週間〜数か月提案から数日〜2週間ほど(現場の目安)
勝ち負けの決め手提案の中身・価格提案の速さ・人材の合い方・単価

違い1:案件と人材の両面営業

SES営業は、「仕事を探す営業」と「人を探す営業」を同時に行います。 一般的なBtoB営業は、自社の商品を売るだけです。

SESでは、自社エンジニアに合う案件を探します。同時に、手元の案件に合う人材もBPから探します。売る側と買う側の両方の顔を持つのが特徴です。

違い2:BP経由の多重構造

SES営業では、エンドとの間にいくつもの会社が入ることがよくあります。 この会社どうしのつながりを商流と呼びます。

BP(ビジネスパートナー)とは、案件や人材を紹介し合う取引先の会社のことです。BPについては「ITのBPとは?「BPさん」の意味とSES営業での使い方・注意点」をご覧ください。

公正取引委員会は2022年6月29日に「ソフトウェア業の下請取引等に関する実態調査報告書」を公表しました。報告書は、多重下請構造の中で、買いたたきや仕様変更への無償対応の要求といった下請法違反が懸念されると指摘しました。下請法は2026年1月1日に改正され、今は「取適法(中小受託取引適正化法)」という名前です。多重下請け構造の問題点は「SESの多重下請け構造とは?図解と問題点、何次請けが平均か」で解説しています。

多重構造では、本当の決裁者が見えにくくなります。窓口のBPの先に、さらに元請けやエンドがいるからです。

違い3:スピード勝負

SES営業では、提案が1日遅れるだけで案件を逃すことがあります。 同じ案件に、何社もの営業が同時に人材を出すからです。

一般的なBtoB営業は、じっくり時間をかけて信頼を積み上げます。SESでは、信頼づくりは長く、1件ごとの提案は速くと、2つの時間軸を使い分けます。

SESでBtoB営業の型をどう使うか

SES営業では、BtoB営業の型を3つに絞って使うのが効果的です。 「相手の組織を知る」「決める人を押さえる」「記録して次に生かす」の3つです。 ほかの型は、スピードを落とさない範囲で取り入れます。

BtoB営業の型SESでの使い方使う場面
相手の組織を知る商流の位置・得意分野・よく出る案件を聞く初回の情報交換
決める人を押さえる面談の決定者と、単価を決める人を確認する案件を受け取ったとき
記録して次に生かす提案結果・断られた理由を残す面談の結果が出たとき
課題を聞き出す人が足りない理由・現場の困りごとを聞く定期連絡・商談

SESで「そのまま使わない」ほうがよい型

一般的なBtoB営業の「長い提案書を作る」「何度も訪問して関係をつくる」は、SESの1件ごとの提案には向きません。スキルシートと短いメールで、速く出すほうが通ります。

長く付き合う関係づくりは、提案とは別の時間に行いましょう。月1回の情報交換や、定期的な連絡がそれに当たります。

SESでBtoB営業を進める6ステップ

SESのBtoB営業は、6つのステップで進めます。 「相手を知る→商流→決める人→速く提案→記録→関係を続ける」の順です。 1年目の営業でも、この順番で動けば迷いません。

  1. 相手の会社を知る:初回の情報交換で、得意な技術、よく出る案件、商流の位置を聞きます。聞く項目は「SESの営業ヒアリング項目30|初回商談のヒアリングシート付き」が参考になります。

  2. 商流を確かめる:案件を受け取ったら、エンドまで何社が入っているかを聞きます。商流制限(何次請けまで提案してよいか)もあわせて確認します。

  3. 決める人を確かめる:面談で合否を決めるのは誰か、単価を決めるのは誰かを確認します。窓口のBP担当者と決裁者が違うことはよくあります。

  4. 速く提案する:条件が合う人材がいれば、当日中に提案します。速く出すコツは「SESの要員提案スピードと精度を上げる方法|流れと管理のコツ6つ」で紹介しています。

  5. 結果を記録する:通った・落ちたの結果と、その理由を残します。記録がたまると「この会社はこういう人を好む」がわかります。理由の聞き方は「SES面談の見送り理由の聞き方|例文と次の提案に活かす記録法」で紹介しています。

  6. 関係を続ける:取引がない月も、案件や人材の情報を定期的に送ります。「思い出してもらえる会社」になることがBtoB営業の基本です。

ステップ2・3で使える確認メールの例文

案件を受け取ったときに、商流と決める人をまとめて確認するメールの例です。

件名:【確認】Javaバックエンド案件(10月開始)の商流と面談について

○○株式会社 △△様

いつもお世話になっております。株式会社□□の××です。
Javaバックエンド案件のご紹介、ありがとうございます。
提案の前に、次の3点を教えていただけますでしょうか。

  1. 貴社から見て、エンド様まで何社入っていますか。

  2. 弊社から提案できるのは、何次請けまででしょうか。

  3. 面談の回数と、合否を判断される方の立場を教えてください。

条件が合う人材がおりますので、本日中にスキルシートをお送りします。
よろしくお願いいたします。

商流の聞き方は「SESの商流の確認方法|何次請けかの見分け方と質問例文」でも詳しく紹介しています。

自分でできる記録の方法

まずはExcelやスプレッドシートで、次の4項目を記録しましょう。

項目記録する内容の例
相手の会社株式会社○○(二次請け・金融系に強い)
決める人面談はPL、単価は部長が決定
提案結果2026年10月5日提案、1回目面談で不合格
理由とメモ「金融の業務経験が欲しい」と言われた

記録は、提案した日のうちに書くのがコツです。翌日以降に回すと、理由を忘れてしまいます。

SESのBtoB営業でよくある失敗と対策

SESのBtoB営業でよくある失敗は、「窓口の人だけを見る」「速さを優先して確認を飛ばす」「記録しない」の3つです。 どれもBtoB営業の基本に立ち返ると防げます。

よくある失敗起きること対策
窓口の人だけを見る面談で落ちる理由がわからない決める人と判断基準を毎回聞く
確認を飛ばして提案する商流制限や条件の違いで差し戻される商流・単価・開始日を最初に確認
提案の結果を記録しない同じ失敗をくり返す結果と理由をその日に残す
取引がない月は連絡しない忘れられて案件が来なくなる月1回は情報を送る

現場への指示にも気をつける

SESの多くは準委任契約です。準委任契約とは、仕事の完成ではなく、作業をすること自体を約束する契約のことです。

準委任では、発注する会社がエンジニアに直接細かい指示を出すと、偽装請負と判断されるおそれがあります。判断の基準は厚生労働省の告示で示されています。営業も「準委任契約の指揮命令はどこまで?SES現場のOK・NG具体例20」で線引きを確認しておきましょう。

チョータツでSESのBtoB営業を楽にする方法

SESのBtoB営業で「速さ」と「関係づくり」を両立するには、案件・人材・取引先の情報を1か所にまとめることが近道です。 Excelで自分で管理する方法でも始められますが、件数が増えると探す時間がかかります。

チョータツは、SES営業の案件・人材を管理・共有するツールです。3,000社以上が利用しています。

SESのBtoB営業の悩みチョータツでできること
案件と人材の情報がメールに埋もれる案件・人材の情報を管理・共有できる
取引先への定期連絡に手間がかかるパートナーへのメール配信機能がある
提案できる案件・人材が足りない他社と連携すると、他社の営業中案件・人材をデータベース化できる
入力に時間がかかるAIが入力を手伝う

おすすめの順番は、まず自社の案件・人材をチョータツに登録することです。次に、よく取引するBPと連携し、相手の営業中案件・人材も見られるようにします。

最後に、メール配信機能で自社の情報を定期的に届けます。こうすると、ステップ6の「関係を続ける」が仕組みで回るようになります。

まだ取引のないパートナーを増やしたいときは、チョータツブーストも使えます。チョータツブーストとは、チョータツの中で新しいパートナー企業を開拓できる機能のことです。

よくある質問

Q. BtoB営業とBtoC営業の一番の違いは何ですか?
買うかどうかを決める人の数です。BtoB営業は会社として決めるので、担当者・上司・決裁者など複数の人が関わります。
Q. SES営業はBtoB営業に入りますか?
入ります。SES営業はIT企業などの会社を相手に、エンジニアの技術力を提供する営業だからです。
Q. BtoB営業の方法で、SESにすぐ使えるものはどれですか?
「決める人を確かめる」と「結果を記録する」の2つです。どちらも今日から始められ、面談の通過率を上げる土台になります。
Q. BtoB営業の魅力は何ですか?
1件の金額が大きく、取引が長く続きやすいことです。SESでは1人参画すると、毎月の売上が続く形で成果が出ます。
Q. SES営業の1年目は何から覚えればいいですか?
商流の確認と、スキルシートを使った速い提案からです。仕事の流れは「SES営業のやり方|初心者が1年目に覚える仕事の流れ7ステップ」を参考にしてください。

まとめ

  • BtoB営業とは、会社が会社に向けて商品やサービスを売る営業のこと

  • 一般的なBtoB営業は、決める人が多く、検討期間が長く、理屈で決まり、長く付き合う

  • SES営業もBtoB営業だが、両面営業・多重構造・スピード勝負の3点が違う

  • SESでは「相手の組織を知る」「決める人を押さえる」「記録して次に生かす」の型が特に効く

  • 進め方は「知る→商流→決める人→速く提案→記録→関係を続ける」の6ステップ

  • 情報を1か所にまとめると、速さと関係づくりを両立できる

本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の法的助言ではありません。具体的な判断は弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。

運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年9月30日|更新日:2026年9月30日

参考資料(2026年9月30日確認)

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